「破産」という地獄から蘇った名門
昇格組研究所第2弾は、セリエB昨季2位のパルマ。今から約20年前、ブッフォンやカンナヴァーロ、クレスポなど数々のスターを擁しUEFAカップを制覇したこともある、イタリアの名門である。
パルマといえば、”財政難による破産”という地獄を経験したクラブとして記憶に新しい。「パルマFC」から「SSDパルマ・カルチョ1913」と名称を変え生まれ変わったパルマは、セリエの階段を軽快に駆け上がり、なんと破産から3年という期間でセリエAの舞台に舞い戻って来た。そんな彼らはセリエAで今季どんな戦いを見せるのか。詳しく見ていこう!
パルマ
指揮官は4-3-3の布陣を好むロベルト・ダヴェルサ監督。2年前パルマの指揮官に就任し、セリエA昇格に貢献した。パルマはダヴェルサ監督の下、昨季セリエBで最少失点を記録したチームとなっている(37失点)。パルマはスピード溢れるウインガーたちを活かしたサイドアタックが大きな武器。新戦力らがフィットすれば、今季の台風の目にもなり得るスカッドを擁している。
移籍市場での主な動きIN
ルイジ・セーペ ← ナポリ(ローン)
ブルーノ・アウヴェス ← レンジャーズリッカルド・ガリオーロ ← カルピ
マッシモ・ゴッビ ← キエーヴォ
フェデリコ・ディマルコ ← インテル(ローン)
アレッサンドロ・バストーニ ← インテル(ローン)
ヤコポ・デーツィ ← ナポリアルベルト・グラッシ ← ナポリ(ローン)
レオ・シュトゥラッツ ← ヴェネツィア
ルーカ・リゴーニ ← ジェノア
アレッサンドロ・デイオーラ ← カリアリ(ローン)
ロベルト・イングレーゼ ← ナポリ(ローン)ファビオ・チェラーヴォロ ← ベネヴェント
ジョナタン・ビアビアニー ← インテル
ジェルヴィーニョ ← 河北華夏
アマート・チチレッティ ← ナポリ(ローン)
OUT
アレッサンドロ・ルカレッリ → 引退
パスクアーレ・マッツォッキ → ペルージャ
マヌエル・スカヴォーネ → レッチェ(ローン)アントニオ・ジュニオール・ヴァッカ → カゼルターナ(ローン)
ロベルト・インシーニェ → ナポリ(ローンバック)クリスティアン・ガラーノ → フォッジャ(ローン)
引退した英雄ルカレッリ、ナポリへとローンバックしたロベルト・インシーニェ(ナポリのロレンツォは兄)などを除き、主力はほぼ残留した。さらにジェルヴィーニョやイングレーゼをはじめ名の知れた実力者たちが次々と加入。他にもチチレッティやブルーノ・アウヴェス、グラッシらを擁する彼らの陣容は、噛み合いさえすれば1桁順位すら狙えてしまうのではないかと思うほどだ。
しかし不運なことに、大量に獲得した新戦力たちに負傷が相次いでおり、そこは不安要素として挙げられる。彼らのフィットが遅れるようであれば、リーグ戦序盤は苦戦を強いられる可能性もあると言えるだろう。
主な負傷者(9/1現在)
アレッサンドロ・バストーニ
ヤコポ・デーツィ
マッテオ・スコッツァレッラ
アマート・チチレッティ
ジョナタン・ビアビアニー
マッティア・スプロカーティ
注目選手
ジェルヴィーニョ
大型補強の目玉とも言える存在だ。言わずと知れた、コートジボワール代表の快速ウインガーである。31歳となり全盛期に比べればキレは落ちたかもしれないが、それでも大舞台で培った経験はダテではない。フィットさえすれば相手にとって恐ろしい存在となれるだろう。
カルチョファン皆が待ち望んだパルマのセリエA復帰。こんなに早く再会できるとは、筆者自身思っていなかった。大量の新戦力を抱え、再びAの舞台に舞い戻って来たパルマの戦いが、今から楽しみだ。
次回は昇格プレーオフを制したフロジノーネ!