3シーズンぶり2度目のセリエA昇格
昇格組研究所もいよいよラスト。今回は昨季のセリエBレギュラーシーズンを3位で終え、昇格プレーオフを勝ち抜いたフロジノーネだ。前身となるクラブの創設は1928年、現クラブの創設は1991年と、非常に新しいクラブである。
フロジノーネは3年前、クラブ史上初となるセリエA昇格を果たした。しかし夢にまで見たAの舞台で苦戦を強いられ、19位でシーズンを終えBに逆戻り。1年での再昇格を目指した翌シーズンはセリエB3位に入るも、昇格プレーオフ準決勝でカルピに敗戦していた。「あと一歩」が遠かっただけに、今季に懸ける思いは人一倍強い。初の残留を目指すフロジノーネ。それでは見ていこう!
フロジノーネ
指揮官は42歳のモレノ・ロンゴ監督。プロのクラブを率いるのはこれで2回目となる。2年前プロ・ヴェルチェッリの監督としてデビューしたロンゴは、かつてトリノのプリマヴェーラ(ユース)を率いてスクデットを獲得した経験を持つ新進気鋭の若手監督。フォーメーションは3-5-2をベースに相手によって使い分ける戦い方が特徴だ。
移籍市場での主な動き
IN
マルコ・スポルティエッロ ← アタランタ(ローン)
フランチェスコ ・バルディ ← インテル
ルカ・クラインツ ← カリアリ
クリスティアン・モリナーロ ← トリノ
エドアルド・ゴルダニーガ ← サッスオーロ(ローン)
フランチェスコ ・ザンパーノ ← ペスカーラ(ローン)
バルトシュ・サラモン ← SPAL(ローン)
ラマン・チブサー ← ベネヴェント
ロレンツォ ・クリセティグ ← ボローニャ(ローン)
フランチェスコ・カッサータ ← サッスオーロ(ローン)
エミル・ハルフレドソン ← ウディネーゼ
アンドレア・ピナモンティ ← インテル(ローン)
ジョエル・キャンベル ← アーセナル
スティペ・ペリツァ ← ウディネーゼ(ローン)
OUT
エマヌエレ・テッラノーヴァ → スペツィア
マッテオ・チョファーニ → ペスカーラ
ムサ・コネ → エルズルムスポル
昇格組の例に漏れず、主力はほぼ残留。昨季守備陣でレギュラーを務めたテッラノーヴァ、マッテオ・チョファーニの2人が退団したものの、後釜にゴルダニーガ、ザンパーノらを獲得、さらにはモリナーロやハルフレドソンなどセリエAを良く知るベテランたちも加入した。また、キャンベルやピナモンティなどビッグクラブでのプレー経験を持つアタッカーたちも獲得し見事な戦力アップを遂げている。
注目選手
ジョエル・キャンベル
アーセナルから獲得した左利きのコスタリカ代表アタッカー。今年のロシアワールドカップでも2試合に出場した。キープ力が非常に高くドリブルが得意な選手だが、持ち過ぎる傾向はあまりなく、アシスト能力も兼備している。セリエAの舞台でどんなプレーを見せてくれるのか。今後が楽しみな逸材だ。
3回に渡ってお送りしてきた昇格組研究所。新たにセリエAの仲間入りを果たした3クラブのことを、少しでも多くの人に知ってもらえたのであれば本望だ。ここまで読んで頂いた通り、いずれの3チームも厳しいセリエBの戦いを勝ち抜いたチームな上、素晴らしい補強を遂げている。そこのアナタも、彼らの激しい残留争いに注目しながらセリエAを観戦してみてはいかがだろうか?