Lo Stadio Giapponese

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セリエA全チーム戦力チャート企画⑤

 ついに戦力分析企画も最終回となる第5回を迎えた。チャート作成にあたって数多くの試合を観戦してきたが、そのほとんどが非常に高いクオリティを備えた見応えあるゲームであったことはここに記しておきたい。

 イタリアにはスペインのような華やかさやイングランドのような派手さはないかもしれない。しかし、リーグを戦う20チームはどこも手強い猛者達だ。プロビンチャと呼ばれる中小クラブにとっては確かに長期戦を上位で勝ち抜くことは難しいかもしれない。しかし、一騎打ちならば彼らの矛は王者の喉元にも届き得る。この企画がそんな渋い魅力を備えたセリエAを知る第一歩になれば幸いだ。

 最終回はセリエAの絶対王者が満を持して登場する。近年でも最高と言われる完成度で世界王座を狙う彼らの強さをチャートで確認していただきたい。

 

 

フロジノーネ

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 セリエAへの挑戦はクラブ史上2度目となるフロジノーネ。指揮官ロンゴもプロクラブの監督としてデビューしてからわずかに2年と、非常にフレッシュな印象を受けるチームだ。初となるセリエA定着を目標に掲げモチベーションは非常に高い。ここまで厳しい戦いが続いているが、第10節にしてようやく初白星。ここから波に乗れるか。(Dino)

Ryosuke:
5+3でしっかり守って引いてるときの守備はなかなかのものだと思います。

ラツィオタロー:
5-3-2でガッツリ中を固めて失点を防いでますが、攻撃面で致命的に決め手を欠いてますね...。

Yotaro:
Clivense的な感情だと残留争いはここをカモにしないと昨季のvsベネヴェントみたいに引っ掻き回されることになりそうです。

kyazu:
早めにAでの戦い方を習得することが初めの1歩になるかと思います。

 

 

トリノ

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 マッツァーリ就任2季目となり3バック戦術も板に付いてきたトリノ。主力もほぼ残留した上、ザザやソリアーノなど実力者を数多く補強し戦力アップを遂げた印象だ。しかし昨季リーグトップを数えたドローの多さ(15試合)からも分かる通り、思うように勝ち切れない勝負弱さがウィークポイントか。スランプ気味の主将ベロッティの復調が待たれる。(Dino)

kyazu:
イッツォ、エンクル、モレッティは良い守備陣だなと思います。個人的にリャンコ推しなので、年齢的にそろそろ厳しいモレッティに代えて戻ってきてほしいです。

Ryosuke:
代表にも呼ばれてるザザとベロッティがいるのは相手からしたら怖いですよね。

Yotaro:
今季もトリノ戦はソレンティーノ神頼みです。

ラツィオタロー:
獲ってくるイタリア人FWのセンスが本当に良いんですよね。インモービレ、クアリャレッラ、ベロッティが同時に在籍したシーズンがあるのは驚きです。同じくイタリア人FWのザザにも期待。

 

 

アタランタ

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  “青いバルセロナ”とも称されるネラッズーリの一団は限られた戦力で魅力的なサッカーを展開する。世界でも屈指の育成機関を誇るこのチームでは、数多の若手選手が輩出され、ビッグクラブへと旅立っていく。また、指揮官のガスペリーニは若手の起用を厭わない戦術家で、クラブの方針とも非常にマッチした理想的な監督であると言えるだろう。新加入のFWサパタがチームにフィットしてくればEL圏内も狙えるか。(Ryosuke)

ラツィオタロー:
期待されていたサパタがまだカンピオナートで無得点とすこしエンジンがかかっていない印象です。前線の層を見るとペターニャを残しておくべきだったのでは?と思ってしまいます。

Dino:
今季序盤は苦しんでますが、まあ立て直してくるんだろうなと。トリノ的にはなんか負けたくない相手です。

Yotaro:
現代的なクラブモデルとしては理想ですよね。健全経営+強固な育成組織+名将=結果という。

kyazu:
今季もEL権取るようならいずれはドルトムントみたいなチームになりそうだなぁと思います。

 

 

ユヴェントス

f:id:llkyazull:20181103201013j:plain f:id:llkyazull:20181103201027p:plain リーグ7連覇、コッパ・イタリア4連覇と国内で圧倒的な力を見せる絶対王者。フットボール界のアイコン、クリスティアーノ・ロナウドをチームに迎えた今季は、クラブの悲願である“欧州ナンバーワン”の称号を得るため、CL優勝に向けて照準を合わせる。また、原稿執筆時点でリーグ戦11試合で10勝1分けと未だ無敗を継続中。昨季スクデット争いを演じたナポリを相手にも3-1で勝利を収めるなど、順位表の最上位を独占中だ。課題を挙げるとすればクロスへの対応か。ボヌッチのマークの緩さなどは気になるところ。さらに、どのクラブも「打倒ユヴェントス」を掲げて試合に臨んでくるため、例え王者とて一切の油断も許されない。(Ryosuke)

ラツィオタロー:
悔しいですが、国内では敵なしですね。CL優勝期待しています。

kyazu:
甲子園にニューヨーク・ヤンキースが出てきたような「いや無理やろ」感があります。

Dino:
層の厚さが半端ないですね。主力の1人や2人抜けたくらいじゃビクともしない強さがあります。

Yotaro:
ボヌッチのクロス対応がキエーヴォ戦以外でも拙かったようですし、9つけるならここくらいですよね...

 

 

おわりに

 先日のトリノダービーでは、トリノの健闘も空しくユヴェントスがウノゼロで勝利を飾った。しかし、ここまでのユーヴェの試合を観てみると、例え下位チーム相手であっても圧倒的な試合というのはそれほど多くない。セリエの競争力が戻ってきている何よりの証拠である。

 また、アタランタのような育成クラブの台頭も、これからのカルチョに大きな影響を与えることだろう。

 残念ながら欧州の舞台で全チームのグループリーグ突破を見ることは叶わなかった。同時に、そこまでの距離は決して遠くないということも分かったはずだ。

 

 ユヴェントスの世界王者への挑戦、昨季超えを狙うローマのしたたかさ、次なる舞台に立つために戦うラツィオ、敗退の悔しさを噛み締めて雪辱を誓うインテル、ナポリ、ミラン、アタランタ。

 そしてヴィオラやトリノ、サンプドリアは逃した切符を取り戻しに行く。

 目を光らせて隙を伺う影の実力者はパルマにサッスオーロ、そしてジェノア。

 カリアリやウディネーゼ、キエーヴォ、ボローニャ、SPALといったプロビンチャは残留に向けて一戦一戦を死に物狂いで取りに行き、エンポリやフロジノーネもBにトンボ帰りするつもりはないだろう。

 試合終了の笛が鳴るとき、チャート通りの結果であるかどうかは誰にも分からない。

 もしかしたらあなたがなんとなく観始めた試合が、カルチョの歴史に残る一戦になるかもしれない。

 

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