ラファエル・アルカンタラという選手を覚えてるだろうか、インテリスタにとっては記憶に新しい選手だろう、それもそのはず、彼はインテルを暗黒期から救った救世主だったのだから。
2018年冬、彼はバルセロナからレンタル移籍という形でインテルに加入した。その頃のインテルの状況というのは前半戦の調子のいいチームから一転、クリスマスシーズンからチームは一気に失速し 勝ち点が積み上がらないという状況だった。このままではまたCL出場権を逃してしまうシーズンになってしまうのでは無いかと不安になってしまう中での彼の加入だった。
当時ラフィーニャが加入した時の僕の感想としては 「あのチアゴアルカンタラの弟か、技術はあるかもしれないけど怪我が多いみたい...ちゃんと稼働出来るか心配だ...」 簡単に言えば、期待はしているが不安の方が大きいという感じだっただろう。だが彼は1度ピッチでプレーするだけでその不安を全て払拭して見せた。
彼がトップ下でプレーすることでインテルの課題であった中央での攻撃が活性化。ブロゾビッチを後ろに下げ、レジスタとしてプレーさせることによるブロゾビッチ本人の覚醒、ジョアン・カンセロ、 ブロゾビッチ、ラフィーニャのトライアングルからの崩し、ショートカウンターのクオリティの向上、イカルディへの良質なラストパスの供給、彼の存在が今までのインテルにあった閉塞感を全て解放してくれたのである。
彼のパスのアイデア、精度、ドリブルのキープ力、シュートのセンス、全てが完成されていて、当時 見ていた僕はその魔法のようなプレーに魅了されていた、選手1人でここまで変わるのか?こんなに上手い選手がこの世にいるのか?まるで魔法使いかと思わせるようなプレーの連続で僕はたった数試合でラフィーニャの虜になった。
彼の活躍もあり、17-18シーズンのインテルは劇的なCL出場権獲得を果たした。実に7シーズンぶりの事である。ラフィーニャの魔法がインテルを暗黒期から解放してくれたのである。僕はこのシーズンを一生忘れないと思う。
しかし、彼がインテルでプレーした時期は半年足らずだった。たった1シーズン、それよりも短い数ヶ月、彼がインテルで放った輝きはあまりに一瞬だったが、その輝きは誰が放つ光よりも眩しく美しいものだった。
インテルを去った今でもラフィーニャは多くのインテリスタに愛されており、彼のTwitterには世界中 のインテリスタが彼を恋しく思うリプで溢れかえっている。
この場を借りてラフィーニャに感謝したい。インテルをCLに連れて行ってくれてありがとう。あなたが青黒を背負って戦う姿はあまりに美しくて、今でも帰ってきて欲しいと思うくらいです。あのシーズンの事は一生忘れません。またいつか、インテルに帰ってくることを心から願っています。
僕が好きになった選手はそんな一瞬の煌めきを放った救世主でした。
【ファンが作るセリエA歴代選手名鑑】
File No. 17
Rafael Alcantala
文:ちょー(@choyo_inter)