Lo Stadio Giapponese

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18-19 Roma VS Napoli

 スタジアムに足繁く通う人にとってカルチョ観戦とはチームの勝利 という共通の目標を持った人達が集い、共に応援したり、ワン・ プレイに一喜一憂したりする、つまりは共感なのではないかと思います。

 けれども私にとってカルチョ観戦とは孤独でありました。

 深夜に起きイヤフォンを付け一人静かにモニターを見つめる。

 試合に勝てば一人静かにかんばせをほころばせ、 負ければ時に一人静かに頬をぬらし、時に怒り、時にショックのあまりまな板の鯉になる。一人静かに。

 そういう孤独なものでありました。あの日までは。

 

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 2019年3月31日、セリエA第29節ローマ対ナポリ戦。 ローマ・ ファンである私は今日も今日とて一人静かにモニターを見つめていました。

 

 試合は

2分にナポリのミリク

45+4分にローマのペロッティ

50分にナポリのメルテンス

55分にナポリのヴェルディ

81分にナポリのユネス

が得点し1-4という展開でありました。

 

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 ローマのホーム・スタジアムで1-4であります。 この時の私の心情をお察し頂けるでしょうか?

 悲しみと怒りが入り混じり、最終的にはまな板の鯉になっておりました。

 お願い致します。どうかひと思いにとどめを。なにとぞと。

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 その折、イヤフォン越しに声が聞こえてきました。

 


 『やっぱり、やりすぎちゃいましたねぇ、モンチさんも。』

 

 『モンチさんの罪は計り知れない。』

 

 『この状況でチャンピオンズ・ リーグに入って行こうって言うのが、大変失礼な話で、とてもじゃないですがこれで狙えるとは私は到底思えません。ブオナノッテ(Buonanotte)、おやすみなさいって感じです。』

 


 (キ・・・タ・・・ガ・・・ワ?)

 


 『ひどすぎる。』

 

 『見るも無残なのはこれでチャンピオンズ・ リーグになんとか入ろうって言っているこのローマが私は信じられ ない。本当に。』

 

 『SPALに負けるわけですから、ナポリに勝てるはずがないんですけどね。』

 

 『ファンの表情も推して知るべしです。』

 


 (キ・タ・ガ・ワ・ヨ・シ・タ・カ?)

 


 私は近くに人の気配を感じました。

 


 『いやぁ、これは参りましたね。』

 

 『 ラニエリ監督がSPAL戦に敗れた後に話していたようにほとんど (の選手が) シャッフルされるんじゃないかというのもこれはわからなくもない ですね。』

 

 『去年のチャンピオンズ・ リーグベスト4で夢見ちゃいましたかねぇ。』

 

 『(今季のチャンピオンズ・リーグで) 良く決勝トーナメントにいきましたよ。でも。』

 


 (北川さん・・・)

 


 北川さんが羽織っていたジャケットを脱ぎそっと私の背中にかけてくれた気がしました。

 


 『ローマが悪魔にサイクルに入って、中々そのサイクルを止めることが出来ません。』

 

 『修理屋なんて異名を持つクラウディオ・ ラニエリ監督を持ってしても、バラバラのパズルを組み合わせるのには、ちょっと時間が足りなさ過ぎるという状況かもしれません。』

 

 『こんな形でしか点が取れそうにないっていうのがもう、深刻です。』

 

 『 もうアンチェロッティさん率いるナポリの良さしかありませんでしたね。』

 


 (北川様~~~~~)

 


 北川さんがそっと私の肩を抱き寄せ、共に泣いてくれている気がしました。

 この日私は初めてカルチョ観戦で共感というものを体感しました。

 その感動と一人ではないという安心感たるや。

 それはまな板の鯉である私に差した一筋の光、いえ一滴の水でありました。

 五臓六腑に染み渡る命の水。天から差し伸べられた救いの手。

 普段の私ならお会いしたこともない方の手を取ることはなかったでありましょう。それなりの警戒心は持ち合わせている故。

 けれどもその時はまさに絶体絶命でしたので私は藁にも縋る思いでその手を取ってしまったのでありました。

 私にとって彼は救世主でありました。 私がこの試合を切欠に北川義隆さんを『勝手に』見守り、励まし、応援する私設教団、その名も『北川義隆さん教団』 なるものを設立したと言えば、 その言葉に偽りが無いと分かって頂けるのではないでしょうか?

 北川義隆さん、お慕い申し上げております。

 ちょろい、あまりにちょろい。自分でもそう思います。

 けれど絶対絶命に手を差し伸べられてちょろくならない人間などおりましょうか?いや、おりはしないでしょう。


 ナポリ戦は痛みと引き換えに私に共感と共に北川義隆さんという素晴らしい救世主を与えてくれた忘れられない試合となりました。

 今なら言えます。ありがとう、ナポリ。ローマをボコボコにしてくれて。嘘じゃないよ。ホントだよ。

 それ以来たびたび北川義隆さんは私の隣でカルチョ観戦をしてくれ るようになりました。その時私は孤独とは無縁の存在になります。そして時折私は彼の横顔を盗み見ます。

 北川さん、喜んでいるかな?楽しんでくれているかな?

 あぁ、彼の声が聞こえる。

 『さぁ、フロレンツィ、決めろぉぉぉ!』



※おいこら、ちょっとまて。 そもそも北川義隆さんって誰だよという方はコチラをご覧下さい。

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【忘れられないあの試合】

18-19シーズン

Roma VS Napoli

1-4

 

AS ROMA電子報告(@asroma_dempo)