Lo Stadio Giapponese

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セリエAニューヒーロー企画《GK・DF編》

 突然だが、あなたは魂が揺さぶられる出会いをしたことがあるだろうか。

 例えばあなたのお気に入りのミュージシャン。動画サイトをサーフィンしてたらたまたま見つけた、ロックフェスの通りがかった小さなステージで聴き惚れた、流れていたラジオ番組で偶然耳に残った、など様々だろう。才能を発見した時というものは小さな幸せが広がるものだ。
 「彼(彼ら)は、きっと大物となるに違いない!」

 今回の企画はもちろん筆者のお気に入りミュージシャンを紹介するものではない。許されるならば某スタジャポ記者Yが愛してやまない椎名林檎女史との邂逅を連載企画で語ってもいいのだが。

 いよいよカンピオナートも折り返し地点、後半戦がスタートした。そこで、セリエAの舞台に登場したニューヒーロー達を取り上げ、後半戦の主役たりうるタレント達を紹介していこうというものだ。この中からいずれ武道館、もとい欧州カップ戦常連のビッグクラブ達に翔ばたいていく若武者もいることだろう。あるいはこのイタリアの地で名選手と謳われる存在になっていくのかもしれない。飛耳長目のカルチョクラスタ達を唸らせる出会いが、ここにはある。

 全3回の初回はイタリア・セリエAの特徴とも言うべき、各クラブの堅守を支える7人の選手達にスポットライトを当てていきたい。

 

 

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GK:ロビン・オルセン(ローマ/29歳・スウェーデン代表)
  • クラシカルなプレースタイル
  • セリエA随一のセービングスキル

アリソン・ベッカーという超人的GKの後任としてローマに迎えられた。ここまでそのパフォーマンスを一部メディアに「残念な補強」と揶揄されているが、そんなことはないと断言しておく。現代型GKのアリソンに比べて守備範囲は狭く、組み立てもまだまだ。しかし、余りあるセービングスキルで幾度となくローマのゴールを守り抜くその姿は新たな守護神に相応しい。彼の加入が「残念」であったかどうかは、ロマニスタなら誰しもが知っている。
(文:Kyazu)

 

 

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GK:ダビド・オスピナ(ナポリ/30歳・コロンビア代表)
  • ペナルティエリアの外でもカバーできる守備範囲
  • 正確な足元の技術

アーセナルをお払い箱になってナポリに加入したが、期待以上の働きでゴールマウスを守る。身長は183㎝で、欧州で活躍するGKとしてはかなり小柄な部類に入る。だがそれは彼にとっては短所ではない。瞬発力を生かしてゴール前の広い範囲をカバーし、相手のシュートチャンスを未然に防ぐのだ。また、足元の技術が求められるナポリのサッカーにもフィットし、後ろからのビルドアップでもチームに貢献する。シーズン後半戦は若手のアレックス・メレトとのレギュラー争いが予想されるが、彼の実力であればそれを制することも不可能ではないはずだ。
(文:Morotti)

 

 

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DF:オラ・アイナ(トリノ/22歳・ナイジェリア代表)
  • 強靭なフィジカルと繊細なテクニック
  • 年齢に見合わない落ち着いたプレー

チェルシーからの買取オプション付ローンにて今季からトリノに加入。22歳という年齢ながらナイジェリア代表でも既に7試合に出場しており、その自信に満ちたプレーぶりは豊富な国際経験の賜物と言えるだろう。トリノではウイングバックのポジションにおいてレギュラーを掴みかけており、その実力は折り紙つきだ。恵まれたフィジカルに繊細なテクニック、さらに両サイドをソツなくこなすユーティリティ性は非常に評価が高く、ファンからは既に買取オプションの行使を望む声が上がっている。
(文:Dino)

 

 

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DF:マルロン・サントス(サッスオーロ/23歳・U-23ブラジル代表)
  • 卓越したビルドアップ能力を持つ現代型CB
  • スピードとボールスキルは一級品、課題は対人守備か

国内外の獲得競争を制し、保有権のあったバルセロナから加入した現代型CBだ。卓越した足元の技術を持ち、相手のハイプレスにも臆することなく冷静に剥がして前方へ縦パスを供給する。その高いビルドアップ能力とスピードを生かしたカバーリングはデ・ゼルビ監督の攻撃型サッカーに必要不可欠であり、サッスオーロの今季の躍進を支える礎となっている。守備時の状況判断と対人守備にやや難があるが、この課題をクリアした時、きっと彼はセレソンの中心選手へと昇りつめていることだろう。
(文:Yotaro)

 

 

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DF:二コラ・ミレンコビッチ(フィオレンティーナ/21歳・セルビア代表)
  • 恵まれた体格を活かした対人守備
  • CBとRSBの両方をこなすユーティリティ性

昨季パルチザンよりフィオレンティーナに加入すると、一気にメルカートの人気銘柄に躍り出た。195cmという高さを活かし、セットプレーではターゲットとして相手ゴールを脅かす一方、自陣では驚異の対人能力で敵の攻撃を完封する。これで21歳だと言うのだから驚きだ。W杯ではセルビア代表として十分な活躍を見せており、世界レベルで活躍できることは既に証明済みである。市場価値は高まるばかり。今後のキャリアも含めて片時も目を離せない。
(文:Kyazu)

 

 

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DF:アレッサンドロ・バストーニ(パルマ/19歳・イタリア代表)
  • 後方からのゲームメイク
  • 19歳ながら強靭なFWに当たり負けしない対人戦の強さ

インテルが保有し、現在はパルマで武者修行をしている19歳のイタリア人DF。19歳ながら強靭なFW相手にも当たり負けしない強さをみせ、正確なタックルでピンチを未然に防ぐ。また、まだまだ正確性には課題があるものの、ロングフィードやドリブルでのゲームメイクにも積極的だ。現在は膝の怪我で戦列を離れているものの、インテルやアッズーリでのデビューに期待がかかる。
(文:ラツィオタロー)

 

 

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DF:ルーカ・ペッレグリーニ(ローマ/19歳・U-21イタリア代表)
  • 19歳ながらも物怖じしない積極性
  • 飛び級でU-21代表を経験するほどのポテンシャルの高さ

左サイドバックを主戦場とする期待の若手SB。ローマのユース出身で昨年10月には飛び級でU-21イタリア代表デビューを飾った。まだ粗削りなところもあるが、キックの精度や走力に可能性を感じさせる。テクニックにも秀でており、いい意味で若手らしからぬ仕掛けの積極性なども兼ね備えている。現状はコラロフの控えに甘んじているが、この大先輩のもとで技術を盗むことができれば大成もあり得る。
(文:Ryosuke)

 

 

 

 いかがだっただろうか。最終ラインにも多くの仕事をこなすことが求められるようになった昨今、素晴らしいスキルを持った後方のプレイヤーの需要は高まるばかり。きっと今回紹介した彼らの中にも大きなチャンスを掴む選手は出てくるはずだ。メルカートの動きからも目を離せない。

 『金をかけるならまず後ろから』とも言われているほど、サッカーにおいて守備陣は攻撃陣以上に肝だ。ましてや他リーグ以上に戦術が大きく結果を左右するイタリアの地で、素早くチームに適応しポジションを奪うのは容易なことではない。その中で彼らはチームの要として自分の能力を生かしたプレーで各人多種多様なタスクをこなしている。

 一般的にディフェンス陣にスポットライトは当たりにくいが、サポーター達の戦術眼が肥えているこのカルチョの舞台においては、素晴らしいプレーに対しては正当な評価が下される。その反面、冷ややかな評価もざらだ。失点に直結しかねないポジションの特性上、きっとこれからも厳しい視線が付きまとうことだろう。
それでも彼らには、国籍問わず、堅守イタリア・セリエAを代表する最強の盾であってほしい。

 

 

 尚、紹介にあたって選手達のプレー分析を担当したスタジャポ記者団は以下の7名である。

 

 


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