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ファンが作るセリエA歴代選手名鑑〜マリオ・バロテッリ〜

 「未完の大器」と呼ばれた選手は数多く存在する。 近年のカルチョでも、ジョビンコ、パト、エル・シャーラウィ等、大きな期待を寄せられるも、道半ばで他リーグへと活躍の場を移す選手を何人も見てきた。
皆さんが、そんな「未完の大器」 と呼ばれて最初に思い付く選手は誰だろうか?もしかすると、 自分と同じ名前も挙げる人が多いかもしれない。

 

 マリオ・バロテッリ

 

 自分は迷うことなく彼の名前が思い付いた。
 17歳という若さでインテルトップチームデビューを果たし、抜群の身体能力を武器に並外れたポテンシャルを感じさせた時から、既に10年以上経過した。彼の複雑な生い立ちや数あるエピソードを挙げるとキリがないので割愛させてもらう。

 

 前述したように、彼はインテルでプロデビューを果たした訳だが、 自分がインテルを応援し始めてから15年ほど経った今でも、 彼を超えるユース出身選手はまだ一人も出てきていない。十代の頃から才能はピカイチだった。波はあったにせよ、十代とは思えない落ち着きで、このまま成長してくれればインテルはストライカー探しに今後10年は困ることがないとも思えた。

 

 覚えている人がどれだけいるかは分からないが、2008- 2009のホームでのシエナ戦。相手キーパーを嘲笑うかのようなフェイントでゴールに流し込むプレーを見て、自分は本格的に惚れてしまった。
 しかし、 大きなスケールを感じると同時に素行面でも大きな問題があった。それはインテル移籍以降もしばらく変わることのない問題だった...

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 当時のインテルを率いていたモウリーニョ監督との衝突、ティフォージの前でユニフォームをピッチに叩きつけるなど、数ある問題行動が目立つようになり、2010年の夏にマンチェスターシティへと放出されることとなった。移籍後も恩師マンチーニと揉み合いになる場面が流出したり、無気力プレー、相手選手に対する挑発など、 悪い意味でメディアを賑わせるようになり、すっかり「悪童」というイメージが定着してしまったのだ。

 その後はリヴァプール、 彼自身が幼少期の頃から応援していたとされるミラン、 マルセイユ、ニースといったクラブを転々とすることになる。EURO2012での活躍などは今でも鮮明に覚えているように、 プレー面でも輝くことはあったが、 気づけばデビュー当時に自分が想い描いていた彼のサッカーキャリ アとはかけ離れたものとなっていた。

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 そんな中、 2019年の夏にスーペルマリオが母国イタリアに帰ってきた。

 彼が選んだのは自身が育った街でもあるブレシア。チーム加入記者会見で「お母さんが泣きながら喜んでくれたんだ。」とハニカミながら語る彼の表情を見ると、そこには悪童なんて言葉はもう無かった。

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 加入したブレシアでは大活躍とまで言えるプレーはまだ披露できていない。また、本当に残念なことに、彼に対する人種差別チャント等が一向に無くならないのだ。その問題について、ここで深く言及するつもりはないが、彼はそんな愚かな行為を起こす人々なんかに負けず闘い続けてほしい。

 今後の彼がイタリアでプレーを続けるのかは分からない。 ビッグクラブでエースを張ることは無いのかもしれない。それでも自分にとって、彼は永遠にスーペルマリオなのだ。どんなキャリアを送ることになろうとも、遠い国から温かく声援を送りたいと思っている。

 

 ありがとうございました!

 

 

【ファンが作るセリエA歴代選手名鑑】

 

File No. 24

 

Mario Balotelli

 

 

文:TATSUYA(@tatsuya_inter)