Lo Stadio Giapponese

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セリエAニューヒーロー企画《FW編》

 それは、某スタジャポ記者Yの幼年時代の記憶に深く、鮮明に刻まれている。1点リードの延長戦、猛攻を凌ぎカウンターへ。駆け上がりそのままシュートを打つかと思われた選手は、キーパーを欺くかのようなヒールパスを選択。そのパスを落ち着いて、かつ美しいシュートを右隅に流し込み相手の息の根を止めたのは、アッズーリの7番を背負った途中出場の男だった。

 FWとは常に得点という結果至上主義の因果な商売だ。ましてや、相対するDF達の情報も浅いうちにその結果を残すのは容易なことではない。

 我らが愛してやまないイタリア・セリエAに現れた新鋭達を紹介する本企画も今回がいよいよラストとなる。最終ラインから中盤を経由し美しいラストパスが供給された。このラストパスに自慢の嗅覚を以て反応し、ゴールネットを揺らすという至上命題を達成し続けている、素晴らしい能力を持った新進気鋭のストライカー達を紹介していこう。

 

 

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FW:クシュシュトフ・ピョンテク(ジェノア⇒ミラン/23歳・ポーランド代表)
  • バイタルエリア付近での冷静さ
  • 左右両足&頭でも得点を挙げられるシュート技術

ポーランドからやってきた、今シーズン前半戦最大のサプライズ・プレイヤー。第23節までに15点を叩きだし、得点ランキングで4位につける。その活躍ぶりを放っておかなかったのがミランだ。ジェノアでは予想をはるかに上回る結果を残したが、シュートに至るまでのボールタッチが丁寧で、シュートをゴールマウスに的確に収める冷静さ、更には空中戦にも秀でたものを持っているが故のことであろう。シーズン後半戦は彼により一層警戒が集まり、加えてビッグクラブ独特の周囲からのプレッシャーも彼を襲う。だが、それを押しのけて得点を重ね続けるようであれば、世界的な名声を手にするプレイヤーになることだろう。後半戦のミランは間違いなく彼が鍵を握っている。
(文:Morotti)

 

 

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FW:クリスティアン・クアメ(ジェノア/21歳・コートジボワール)
  • 身体能力だけに頼らない優れた戦術眼
  • ターゲットにも起点にもなれる器用さ

今季開幕前、セリエA中堅勢で密かに争奪戦が起きていたのがこのクアメ。前所属チッタデッラでも既に頭角を現しており満を持してのセリエA初挑戦となったわけだが、期待を超える活躍を見せていると言って差し支えないだろう。身体能力の高いプレイヤーだがボールを自分で持ちすぎる癖もあまりなく、シンプルかつ効果的なプレーを選択できるクレバーさは見事なものだ。ミランへ移籍したピョンテクとの2トップは強豪も手を焼く攻撃力を誇っていたが、新たなパートナーと組む後半戦も彼のプレーに注目が集まる。
(文:Dino)

 

 

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FW:ラウタロ・マルティンス(インテル/21歳・アルゼンチン代表)
  • ボールを運んでチャンスを演出
  • どこからでもゴールを狙える高い決定力

若きアルゼンチン代表ストライカー。レアル・マドリードからの関心も噂される中でインテル行きを決断した。自らボールを運んでチャンスを演出する突破力とどこからでもゴールを狙える高い決定力が持ち味で、そのプレースタイルは母国の先輩であるアグエロを彷彿とさせる。インテルの背番号10番はスナイデル以来パッとしないだけに、期待に応えてチームの新しい顔になりたい。
(文:ラツィオタロー)

 

 

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FW:パトリック・クトローネ(ミラン/21歳・U-21イタリア代表)
  • 類い稀なるゴールへの嗅覚
  • 大一番でゴールを決められる強靭なメンタル

2017年にトップチームデビューした選手。ワンタッチでゴール奪っていくプレースタイルからNextインザーギと称されている。クトローネには強靭なフィジカルも爆発的なスピードも人々を魅了するような華麗なテクニックも持ってはいない。しかし、ゴールを奪う能力という点に限って言えば、クトローネの能力はかなり優れたものだと言える。事実昨シーズンのヨーロッパにおける98年生まれ以降の選手の得点ランキングはクトローネが2位だったのである。そんな彼がどのように成長するかにミランのみならずアッズーリの命運がかかっているのではないだろうか。
(文:ミラにすた)

 

 

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FW:フェデリコ・サンタンデール(ボローニャ/27歳・パラグアイ代表)
  • 足でも頭でもゴールを狙える得点能力
  • ゴール前でもボールを収める強靭なフィジカル

デンマークの名門コペンハーゲンよりやってきたボローニャの新エース。体を投げ出して強引にゴールを奪う様は元イタリア代表の名FWアルベルト・ジラルディーノを彷彿とさせる。第7節のウディネーゼ相手に放った強烈なシュートはその身体を見れば偶然でないことが分かるはずだ。常にゴールを狙う獣の嗅覚はたとえ強豪クラブのDFであっても無視できない。
(文:Kyazu)

 

 

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FW:ムサ・バロウ(アタランタ/20歳・ガンビア代表)
  • 弱冠20歳、年齢離れした驚異的な決定力
  • 新たなるアフリカ系ストライカーとして次世代を担う存在へ

昨季はプリマヴェーラで23得点の大暴れ、後にトップチームでも3得点とアピールしカルチョ界を震撼させた"怪童"。アフリカ系ストライカーの特徴たる決定力、爆発力などに加え、周囲と連動した崩しといった柔軟性も持ち合わせる。今季はサパタに遅れを取る形となっているが、ムラなく攻撃に絡めるようになればエースへの道も拓けてくるはずだ。可能性は無限大、末恐ろしい存在である。
(文:Yotaro)

 

 

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FW:クリスティアーノ・ロナウド(ユベントス/34歳・ポルトガル代表)
  • 弛まぬ努力とストイックな食生活で手にれた強靭なフィジカル
  • どんな姿勢からも枠に飛ばす脅威のシュートセンス

圧倒的なカリスマ性とその技術の高さで絶大な人気を誇る”怪物”が遂にトリノの街へ舞い降りた。加入当初は選手全員にハードワークを課すアッレグリ監督の下でチームに適応できるか否かに注目が集まったが、その不安は杞憂に終わった。レアル・マドリーでの晩年はストライカーとして得点を量産していたが、セリエA初挑戦となる今季は全盛期のようにピッチサイドを疾走し、ドリブルで仕掛けるシーンが散見される。また、エゴイストのイメージが強いが味方を使う能力にも長けており、必要とあらば迷わずパスを選択する。原稿執筆時点でリーグ戦21試合で15ゴール6アシストという数字は34歳になってもなお、その攻撃センスが健在であることを物語っている。
(文:Ryosuke)

 

 

 いかがだっただろうか。一般的に、FWは頻繁にリーグ間を行き来しプレーする環境を変えたがると言われている。何故か?理由は簡単、最も重要なタスクを担う選手だからこそ、最も相手の研究対象になりやすいポジションだからだ。

 今回紹介した彼らの多くは今季からイタリアの地で任務に就いた選手達である。彼らが相対するDFの情報を持ち合わせていないのと同様に、DF達においても彼らの特徴を把握しきれていないケースがほとんどなのだ。

 今現在で結果を残せていても、後半戦、そして来季以降は最も研究されることだろう。そんな中でも結果を残し続けることが出来れば彼らは"本物"だ。
リアル・ストライカーと呼んで差し支えない、敬すべき一流の狩人である。

 

 

 今回を以てカルチョに現れたニューヒーロー達を紹介する本企画を締めさせていただく。
あなたの魂を揺さぶる出会いはあっただろうか。

もちろん、このイタリア・セリエAには紹介してきた彼ら以外にも素晴らしい選手達が数多く存在する。たまには愛するクラブの応援だけでなく、自身が発見したダイヤの原石を追いかけてみるのも一興だ。
(ちなみに某スタジャポ記者Yが追いかけ続けている、椎名林檎女史にインスピレーションを受けたという福岡方面のギターロックバンドも順調にステップアップしている。映画主題歌が決まった際はまさに感無量だった。)

選手紹介以外の部分は某スタジャポ記者Yが担当させていただいたが、彼(私)の拙い文章にお付き合い頂いた方々には心より御礼申し上げたい。
これからもあなたのカルチョクラスタ人生が素晴らしきものでありますように。

 

 

 尚、全3回の選手紹介にあたって多くのプレー動画の分析を担当したスタジャポ記者団は以下の7名である。

 

 


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