インテルを応援し始めて嬉しかった試合といえば2009/ 2010のCL決勝バイエルン戦を筆頭に数えられないほど存在するが、個人的にどうしても忘れられず印象に残っている試合がひとつある 。
2009/ 2010セリエA第21節インテルvsミランのミラノダービー。
当時セリエA4連覇中のインテルは5連覇に向けてそのシーズンも首位を快走していた。 最終的にローマとのデッドヒートの末にスクデットを獲得するインテルではあったが、今回語らせてもらうダービーの時は少し状況が異なるものだった。
オフにバンディエラのマルディーニが引退し、 エースのカカーがレアルマドリーへと移籍、 更にアンチェロッティに代わり監督経験ゼロだったレオナルドが指 揮することとなったミランの前評判は決して高いとは言えず、 案の定セリエA第2節に行われた1回目のミラノダービーで0- 4の敗北を喫し苦しいスタートとなった。しかし、 そこからロナウジーニョを中心に破竹の勢いで白星を重ねるように なり、 遂にはインテルを射程圏内に捉える位置まで浮上してきたのだった 。
一方の絶対的王者インテルは、 モウリーニョ監督の下で首位を走ってはいたものの、 下位チーム相手になんとか勝利をもぎ取る試合が続いており、 ミランの勢いを感じながら戦っているのだった。 そんな中で迎えたミラノダービー、 盛り上がらないはずがなかった。
インテル側は主力のエトーがアフリカネーションズカップで離脱していたものの、ライバルをなぎ倒す準備はできていた。
いざ試合が始まると前半の早い時間にミリートが先制ゴールを決めインテルが主導権を握るかに思われた。
しかしそんな中、試合を見事にぶち壊す人間が現れた。ご存知、名物レフェリー、ジャンルカ・ロッキだ。
前半20分過ぎだったか、判定に納得のいかないスナイデルはロッキ主審に向かって拍手をし ながら「Bravo」という言葉を発してしまった。 それを聞いたロッキは迷うことなくスナイデルにレッドカードを提示し退場を宣告しインテルは早くも10人での戦いを強いられることとなる。
数的不利となったインテルは押し込まれる展開となり、 一度火のついたロッキは収まらず笛を吹き続けインテルベンチに向 かって注意を促したりとフラストレーションの溜まる試合へとなりつつあった。
前半を無失点で終えたインテルだったが、後半も相変わらずミランペース。
そんな中、絶好の位置でフリーキックを獲得したインテルはパンデフが直接ゴ ールに流し込み貴重な2点目を奪ったのだった。余談だが、そのフリーキックを獲得した時にパンデフに代えてバロテッリを投入する予定だったが、 モウリーニョの待ての合図で交代が見送りになったらしい。 そのパンデフはゴールを決めた直後に交代している。
数的不利でその後もミランペースが続くも2点のリードを奪ったインテルがこのまま何事もなく試合を終えることができると自分も思っていた中、終了間際にまたもやロッキが目立ってしまう。ペナルティエリアでハンドを取られたルシオが退場、更にミランにPKを与えたのだった。
スナイデルに続いてルシオまで退場となったインテルは9人。 更にミランにPK。残り時間は少なかったとはいえ嫌な空気が流れ始めた。
キッカーはロナウジーニョ。 笛が鳴りゴール左へとキックしたのだが、インテルの守護神ジュリオ・ セザールがドンピシャのタイミングでセーブしたのだった!
恐らくインテルを応援した中で最も気持ちよかったプレーかもしれない、そう思えるほど興奮していたのを今でも覚えている。
監督のモウリーニョも笑顔でドヤと言わんばかりの表情になり、勝利を確信した瞬間だった。
最終スコアは2-0。
インテルがミランに力の差を見せつける試合となり、 結果的にミランはスクデット争いから脱落する形となった。
自分の言葉足らずの文章でどこまで当時の興奮が伝わったかは分からないが、モウリーニョインテルの強さが全て詰まったゲームとなっている為 、機会があれば皆さんも見てみてほしい。
インテルとミランがスクデットを争う為のダービーを懐かしく思う日々だが、また当時のような試合を見れることも願いながら、1日でも早い平和な日常が戻ってくることを祈ります。
最後までお読み頂きありがとうございました!
【忘れられないあの試合】
09-10シーズン
Inter VS Milan
2-0
TATSUYA(@tatsuya_inter)